卓袱料理にはいくつかのお約束事があります。
■一つ目
朱塗りの円卓を囲んで召し上がって頂きますが、この円卓には上下の隔てなく和気藹々に、という想いが込められております。
また、お箸を返したり取り箸を使わずに直箸でお料理を取皿に取ってお召し上がり頂きます。これも水臭いことは抜きにしましょう、ということからの作法です。
■二つ目
取皿は最初から最後まで、二枚のお皿を上手に使って頂きます。
■三つ目
何よりも先にお鰭(ひれ)椀から召し上がって頂きます。
お鰭椀は鯛の身やお餅の入ったお吸い物のことです。
卓袱料理ではおもてなしの意を込めて、高級魚の鯛をお一人様に一尾使いましたという証に、鯛の尾ひれをお一人お一人のお椀に入れておりました。
このことから、お吸い物と云わずにお鰭椀と申します。
宴席のご挨拶や乾杯も、まずはお鰭を召し上がってからとなります。